体操選手なら誰でも一度夢見るのは
自分の名前のついたオリジナル技を発表する事だよ。
それは簡単な事ではないよ。
作ればいいってもんじゃないからね。
悪魔も自分が考えたオリジナル技を持ってるけれども
その技はルールブックに載ってないよ。

なぜかと言うならば、
ルールブックに載せるためには
FIG(国際体操連盟)主催の国際大会で技を発表しなければいけない
という決まりがあるからだよ。
つまり、国の代表選手になって試合に出て、そこで発表された技だけがルールブックに載るんだよ。

そんな敷居の高い新技発表だけど
ルールブックに複数の名前が登録されている優秀な選手もたくさんいるよ。
最近の日本選手で言うならば、床のスペシャリストで知られたシライ選手なんて
床で3つ、跳馬で2つの新技が載せられていたと思うよ。

そんな名前を残すのが難しい体操のルールブックに
2つの技で名前を残したのが今日紹介したヨ・ホンチョル選手だよ。

その2つのうち特に凄いのは「ヨー1」の方だよ。
側転から後方抱え込み2回宙返り
いわゆるツカハラ跳びからもう1回回る技だよ。
言ってみれば後方の3回宙返りだよ。

前方の3回宙返りはキューバのローチェ選手が1979年に跳んだのが最初だったけど
後方の3回宙返りはヨ選手が1993年に跳ぶまで誰も跳べなかったんだよ。
ローチェから遅れること15年にしてようやく全体操選手の夢が形になったんだよ。
跳馬で後ろ向きで3回回るという事はそれだけ難しいという事だよ。

そんな偉業を成し遂げたヨ・ホンチョル選手の偉業を、とくとご覧になっておくれ。

今日のBGMは
「옹헤야(가야금협주곡)_オンヘヤ(伽耶琴協奏曲)」
演奏者知らず。

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